インプラントの治療期間について
インプラント治療は、虫歯治療のように短期間で完了することはありません。例えば、虫歯治療では削って型を取り、次の来院時に被せるというシンプルな方法で治療が完了しますが、インプラントはそうではありません。
インプラント治療は、以下のような複数の段階を踏む必要があり、そのため治療期間が長くなることがあります。
治療期間の差は、患者さんのお口の健康状態によります。顎の骨がしっかりしていて歯ぐきも健康な方は、埋入手術を早く受けられ、骨と人工歯根の結合も速やかに進みます。そのため治療期間が短くなることがあります。
一方で、歯ぐきに歯周病があったり、顎の骨が薄い場合は、事前に歯ぐきの治療や骨造成手術が必要となります。そのため、治療期間が長くなることがあります。
このように、治療期間には個人差があり、健康状態によって大きく左右されることがわかります。
インプラント治療の具体的な流れとその期間について、以下に詳しく説明します。
インプラント治療を始める前には、口腔内の状況や顎の骨の健康状態を詳細に確認するために、レントゲンやCT撮影、口腔内模型などを用います。これにより、治療方針を決定し、具体的な治療計画を立てます。また、治療方針や費用、通院期間についての詳細な説明を行い、カウンセリングを通じて同意を得た上で治療を開始します。
治療計画の段階で、人工歯根埋入手術の前に必要な治療がある場合に行われます。例えば、歯周病の治療が必要な場合や、顎の骨が少ない場合には、事前に骨造成手術を行うことがあります。これにより、インプラントが安定しやすくなります。事前治療が必要ない場合は、すぐに埋入手術に進むことができます。この段階での治療は、インプラント治療の成功率を高めるために非常に重要です。
インプラント治療の中心となるのが、人工歯根を顎の骨に埋入する手術です。手術には1回法と2回法があり、口腔内の状況に応じて選ばれます。手術は麻酔を使用して行われ、入院の必要はありません。手術当日は、朝から始まることが多く、数時間で完了します。手術後は、自宅での安静が推奨されます。
●2回法
【通院回数4~6回、通院期間3~7ヶ月】
1回目の手術で人工歯根を埋入し、歯ぐきを縫合して安定させます。この期間中、人工歯根と骨がしっかり結合するのを待ちます。数ヶ月後に再度歯ぐきを切開し、アバットメントを装着します。2回目の手術の所要時間は30分程度で、人工歯を装着するための準備を整えます。
●1回法
【通院回数1~2回、通院期間1日~2週間】
1回法では、人工歯根とアバットメントを一体型で埋入します。手術時間は2回法の1回目と同様ですが、通院回数と期間が短縮されます。これにより、患者の負担が軽減されます。ただし、この方法は、顎の骨がしっかりと安定している方に限られます。
2回法の場合、1回目と2回目の手術の間に定着期間が必要です。この期間は、人工歯根と顎の骨がしっかりと結合するための時間です。定着期間には個人差があり、患者さんのお口の状況や健康状態によって異なります。
インプラントの土台が安定し、傷口が治った後に人工歯を装着します。噛み合わせを確認し、アバットメントと連結して完了です。
治療期間が長くなる要因として、以下のような追加治療が必要な場合があります。
骨移植やサイナスリフト、ソケットリフトなどの骨造成手術が必要な場合、この期間が追加されます。これにより、インプラントがより安定し、成功率が高まります。
インプラント埋入時に骨補填剤を使用し、骨の再生を促す治療法です。薄くなった骨の部分を補強し、インプラントの安定性を高めます。
重度の歯周病による歯ぐきの損失がある場合、歯肉移植手術が必要となります。
インプラントは人工物ですが、天然歯と同じように歯周病の様な症状が起こります。これをインプラント周囲炎といいます。治療後に口腔内が不衛生になると、歯ぐきが炎症を起こします。歯周病と同じように、歯ぐきに炎症が広がり顎の骨を溶かし、インプラントを支えきれなくなると脱落してしまうこともあります。
定期検診を受けることで、これらのリスクを低減し、健康な状態を保ちましょう。
インプラント治療は長い期間かかる治療ですが、機能性・審美性ともに優れており、天然歯に近い回復が期待できます。
治療期間を考慮し、ご自身のライフスタイルに合わせて検討してみてください。
インプラント治療をお考えの方は、大津市にある歯医者【ブランチ大津京デンタルクリニック】までお気軽にご相談ください。